高麗人参は古来より生薬の帝王として皇帝や将軍など時の権力者たちに献上されてきたもので、今でもその高い健康サポート力が実証されていて漢方薬やサプリメント、化粧品の原料として人気があります。
このことからどちらかといえば「薬用」としての認知度が高いのですが、元は食材なので安全面についても問題はないとされています。しかし、ごく稀に特定の薬との飲み合わせや、めぐりをよくするパワーの強さからくる好転反応(メンケン反応)と呼ばれる一時的な副作用のような状態を呈する場合があります
今回は高麗人参の持つ知られざる側面(デメリットや副作用)について検証していきたいと思います。

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ワーファリン製剤との併用は要注意!

重篤な血栓症や塞栓症の治療の際に用いられるのが「ワーファリン製剤」です。ここでいうところの「重篤な血栓症や塞栓症」というのは慢性的で進行性(難治性)の「体の中で血の塊が出来やすく重度の血流障害を引き起こす病気」で、代表的なものとしては
  • 脳梗塞
  • 心筋梗塞
  • 狭心症
  • 閉塞性動脈硬化症
  • DIC(出血を伴う大手術の後に造血機能がバランスを失い血管内凝固と溶血を不定期に繰り返す重篤な状態のこと)
などがあります。
ワーファリンはこうした重症度の高い血栓症や塞栓症の治療の際に用いられるというところからもわかるように、高い「溶血作用」のある薬で、能書にも”食品との相互作用(いわゆる食べ合わせ)”についての記載があるほど投薬の際には十分な注意が必要な薬です。
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そもそも血栓や塞栓とはコレステロールや糖質の過剰摂取によって血液の粘度があがり、赤血球同士あるいは赤血球と血小板とが結合してしまうことや、出血が認められた場合にはその部分に血小板が集中して血の塊を作って止血する作用が暴走してしまうこと、感染症などによって白血球などの免疫細胞の死骸(膿)が大量に生じ、塊を作ってしまうことなどによって起こり、それが血流を阻害してしまう状態を意味しています。
ワーファリンはこうした血の塊を溶かして取り除くための薬で、血液中のタンパク質を分解してしまう作用があります。このため、食品に含まれている「血流を高める機能」のある成分と併用することで溶血作用が進んでしまい、貧血や低血圧発作を引き起こすリスクが高まってしまうのです。したがってめぐりを良くしてやサラサラへと導く力が高いとされる
  • サポニン
  • 硫化アリル(玉ねぎやニンニクの辛味成分)
  • イソフラボン
などとの併用は極力避ける必要性があります。
ただし、上記のようにワーファリン製剤は重症度の高い血栓症や塞栓症などに対して緊急的に処方される薬ですので、普通に健康な状態や軽度~中等度等の生活習慣病では用いられません。つまりワーファリン製剤を現在服用中という状態でなければ、高麗人参が持つめぐりを良くする力がデメリットになることはまずないと考えて差し支えないでしょう。
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少なくとも現在のところワーファリン製剤以外の薬との飲み合わせで健康被害を生じるという例は報告されていません。これだけ長い歴史を持つ高麗人参について飲み合わせや副作用が報告されていないということはそれだけ安全性についても保証されていると考えて良いと言えます。

サポニンの過剰摂取はNG!でもジンセノサイドは例外

高麗人参の主成分として知られているのが「サポニン」です。サポニンには
  • めぐりをよくする力
  • ホルモンバランスを調整する力
  • 病気などに対抗する力
などの高い有用成分が知られていますが、過剰摂取することで毒性を示すことも報告されています。
では、高麗人参を摂りすぎるとサポニンの毒性によって健康被害を及ぼすのか?という話になりますが、これは誤解です。高麗人参に含まれている特有のサポニンは「ジンセノサイド」と呼ばれる物質で、これに関しては大量に摂取しても毒性を示さないということが証明されています。
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もしかしたら常識を超える量を摂取してしまうことで、なんらかの健康被害をもたらす可能性については完全に否定することなどできませんが、そもそも希少性が高く決して安価な原料ではない高麗人参を大量に摂取するという機会はほとんどありませんし、薬膳などで一人当たり高麗人参を一度に数本食べたところで重大な健康被害がでたという報告は聞いたことがありません。
つまり、サプリメントや漢方薬に記載されている1日の摂取目安量をきちんと守ってさえいれば安全であるということになります。それを無視して度のすぎた量を摂取し、悪心や嘔吐などの健康被害が生じたところでそれは自己責任ということになりますね。加えて他の成分との混合製品の場合は高麗人参が原因か、その他の成分が原因かは非常に判断が難しくなります。
サプリメントの場合、医薬品と違って厳しい治験などは経ていませんが、通常のモニターテストは行われているはずですから、まがい物や粗悪品でない限り健康被害を起こす危険性は極めて低いと言えます。
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乳がんと高麗人参の関連性について

高麗人参の働きとしてうたわれているホルモンバランスの調整機能についてですが、例えば乳がんの既往や現在乳がんで治療中の患者さんに対して導入することに関しては、いろいろな研究者の間で評価が分かれるところです。
まず、否定派の意見としては、”乳がんとは女性ホルモンが過剰分泌されることが原因で起こるため、女性ホルモンの分泌を潤滑にする働きがある高麗人参を導入することはリスクがある”というのが数多く見られます。
確かに乳がんは乳線の細胞が過剰に線維化することが原因で発症することが知られていて、その原因の一つとして女性ホルモンの分泌異常が指摘されています。しかしながら、それが乳がん発症原因の全てであるというわけではありません。
また、高麗人参に含まれているサポニン成分であるジンセノサイドには40種類ほどが確認されていて、その絶妙な配合バランスによって「ホルモンバランスの調整機能」がもたらされているとされているのですが、それは女性ホルモンや男性ホルモンを過剰分泌させる働きとは無関係です。
もし仮に高麗人参に乳がんへのリスクを高めるほどのエストロゲン分泌亢進の働きがあるとするなら、男性向けの強壮剤に配合されることに関しては矛盾が生じますし、どれほどの量を摂取すればそんなに強い反応が出るのかについての論文等も存在していません。これは高麗人参が女性の更年期に現れる悩みや不調に対するケアに高い有用性があることからくる誤解である可能性が高いといえるでしょう。
一方で賛成派(もしくは容認派)の意見としては、高麗人参の健康サポート力とはそもそも「*ホメオスタシス」によるもので、何か特別なホルモンや酵素などの生体物質、アミノ酸などの分泌や代謝を向上させるものではなく、「めぐり」を良くさせることで脳と自律神経のバランスを整え、豊富な栄養素からその時に必要なものを供給したり引き出したりすることで生体内のバランスを良好に維持するためのものなので、デメリットではなくメリットとなるというものになります。
*ホメオスタシスについては過去記事に記載しておりますのでそちらを参考にしてください。
この賛成派や容認派が主張するホメオスタシスへの働きという点に着目すると、確かに高麗人参には
  1. 性別に関わらず更年期の悩みや不調に対しての有用性が確認されている
  2. ジンセノサイドは大量摂取しても毒性は示さない
  3. いくつかの異なるジンセノサイドの相互的な働きによって生体バランスが良好に保たれる力が確認されている
  4. 漢方から現代医療に至るまで長い歴史の中で高い健康維持を保つ力があることが立証されている
  5. めぐりを良くする力、活性酸素の働きを阻止する力、病気などに対する抵抗力については科学的にも立証されている
という点については疑う余地がないほど数多くの研究成果が公表されているので、一定の根拠があると言えます。つまり、高麗人参の持つがんなどの対抗力に関しては、
「めぐりを良くする」>「脳に十分な栄養と酸素が運搬され、自律神経を始めとする神経ネットワークとの連携が正常化される」>「高麗人参の持つ豊富なアミノ酸やミネラル分からその時の身体状態に必要なものをチョイスして利用する(不要なものはそのまま排泄する)」>「活性酸素の働きを阻止する強い力によって体が酸性に傾くことを好転してくれる」>「結果として悪い細胞を弱体化させたり、細胞の悪化を抑制可能な体質にする」
という結論になると考えられます。これは高麗人参があらゆる「病気」に対しても有用性があることを示唆しています。
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しかしながら、実際にがんを発症していて化学治療を行っている最中であるとするなら、抗がん剤や放射線療法が人の免疫機能や脳神経にどの程度のダメージを与え、それが高麗人参が本来持つホメオスタシスへの順応性を阻害して、別の悪い働きをもたらしてしまうリスクについては完全否定はできません。また、実際に白血病治療では一旦免疫機能を落とすことで抗がん剤が十分に効くような前処置を行う場合もあり、この際高麗人参を服用することで抗がん剤に対する抵抗性ができてしまうことも懸念されるので、現にがんの治療中の人は慎重に導入する必要性はあると思います。
安全性を重視するなら化学療法のワンクールが終了してから予後をよくするために次の化学療法や手術の間に導入するという形が無難でしょう。この時も念のため導入に関しては医師に相談の上その指示に従ってください。化学療法が高麗人参に与える作用(というよりも脳のホメオスタシス機能に与える作用)に関しては未知数な部分が多いのでこの点は重要かと思います。

高血圧への働きについて

高麗人参を飲むと「めぐり」が良くなることから、頭部もポカポカと巡ってくる感覚を覚えることがあります。このことからネットなどでは「高血圧症の人が高麗人参を飲むと急に血流が上がり血管に負担をかけるため解離性血管炎(血管が裂けて大出血を起こす状態)などを起こすリスクがある」などと書かれている記事を見かけることがありますが、まずこれは事実無根と見ても良いでしょう。
この意見は「高血圧症」について全くの無知な人が書いた記事であると言えます。なぜならこれまでにも説明してきたように、あらゆる病気や健康被害の原因には「血流障害」が関与していて、血流障害をきっかけに(あるいは他の原因疾患から二次的な症状として高血圧となり)代謝バランスやホルモンバランスが乱れることでいろいろな健康被害がもたらされるからです。
人が抱える健康被害を端的に表現すれば、それは「血流障害」によってもたらされるといっても過言ではないのです。ということはほぼすべての疾患や怪我の陰には「高血圧」が存在しているとも言えます。
例えば風邪をひいて上気道部にウィルス感染からくる強い炎症反応を見せている時も炎症部では腫張を起こしていることからその部分は血流障害が起こり血圧は高くなります。そもそも高血圧症とは慢性的に血管のどこかに炎症が起こっている状態であり、がん、血栓、怪我やウィルス感染による炎症などは高血圧を誘発する原因になるのです。
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実際に高血圧の治療薬もその目的は血流を改善することであり、そのために血栓を溶かす薬やカルシウムやマグネシウムなど特定のミネラルの作用を阻害させる薬などを処方します。こうした薬の投与が最終的に目指すものは「体内の流れを改善させて脳がもつ生体バランス機能(ホメオスタシス機能)を正常化させる」ことに尽きますので、その点に於いて「めぐり」を良くする高麗人参を導入することと目的はずれていません
いずれにしても高麗人参はホメオスタシスの働きが高く、「めぐり」を良好な状態にコントロールしてくれる力が期待できるものです。そうでなければ高麗人参の持つ健康維持力はほとんどが矛盾していることになりますし、進行性の動脈硬化症を合併していて血管がボロボロになっている状態で血流障害を起こしている重症度の高い高血圧症の場合は集中的な治療が必要な状態ですので、また別次元の話となります。私たちが普段認識している高血圧症(恒常的に高いほうが130mmHg~160mmHgの範囲に収まっているような状態)であれば問題視する必要性は極めて低いと思われます。

好転反応(メンケン反応)について

高麗人参を飲み始めた頃には体のめぐりがよくなるため、
  • 動悸がする
  • 顔がほてる
  • 汗が出る
などの状態を覚える場合があります。これは高血圧症や心臓に負担がかかっている時によく見られる症状なので、この現象をみて高麗人参には副作用があるという意見をいう人がいますが、そうではなくこれは「好転反応」もしくは「メンケン反応」と呼ばれる現象です。
高麗人参には高いホメオスタシスの働きがあり、生体バランスを良好に維持する力があるというのはこれまでにも説明してきたとおりです。すなわち、高麗人参を導入するということはなんらかの健康面での不安を抱えているか、もしくはこれから健康に留意しようと決意した時ということになります。健康面に不安を抱えているということは、”それまでの体は悪いなりのバランスを保っていた”ということになります。これめぐりによって”悪いなりに保たれていたバランスが崩れる”わけですから、なんらかの生体反応がでてもそれは不思議なことではありません。
一方で副作用というのは、その薬効成分を摂取することでもたらされる「新たな健康被害」のことです。つまり好転反応がより良いバランスを得るための「揺り返し」なら、副作用は服薬によってもたらされる別の「病気」ということになります。例えば唐辛子を食べたら体が火照って汗がたくさん出てきたというのも一つの好転反応です。
つまり、高麗人参を飲んで現れる一過性の上記のような状態が数日程度で消失するなら、それは「好転反応」と言えるのです。心配ならば一旦飲むのをやめて症状が落ち着いたら再開するというのを繰り返し、次第に体を慣らしていくという方法をとれば続けていくうちに好転反応は自然と消失します。もし2週間以上同様の症状が出るとしたら、それは食物アレルギーからくるものかもしれませんので、その場合は服用を中止する必要があります。
ただ、そばアレルギーのような重篤な呼吸器症状が出るといった例は今まで報告されていませんので、慌てず落ち着いてアレルギーが強く疑われる場合は速やかに使用を中止し、医師に相談するようにしてください。高麗人参が持つ数少ないデメリットとしてはこのアレルギーが最大の懸念事項ですが、食物アレルギーは地球上のあらゆる食材に対して起こる可能性があるので、こればかりは致し方ないでしょう。
ちなみに高麗人参のアレルギーとして知られているのは
  • 蕁麻疹
  • 発熱
  • ニキビなど化膿性のできもの
などがあります。

まとめ

このように高麗人参を副作用やデメリットから論じた場合、懸念されることは

  1. ワーファリン製剤との併用
  2. 食物アレルギー

の二点だけだといえるでしょう。
高麗人参の有用性をある特定の側面から捉えればいろいろなリスクを挙げることは簡単ですが、もともとが高麗人参に特有のジンセノサイドという複数の異なる有益な物質が絶妙のバランスで配合されていて、何か特定の物質の分泌や働きを亢進させたり抑制させるということではなく、全体的なバランスを調整するための完全栄養食だからです。従って重篤な状態で集中的な治療が必要とされるような深刻な病気でなければ、高麗人参の導入はメリットの方が大きいと言えます。
以 上 

追伸:

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