天然の高麗人参は朝鮮半島から中国北東部そしてロシアの沿海部にかけた冷涼な土地に自生しています。
それゆえに栽培に適しているのは暑くも寒くもない、そして水はけの良い土地なのですが、高麗人参が育つ土壌では他の作物が育たないというぐらい大地の栄養を吸収し、また収穫可能になるまでは10年ほどの年月が必要なため人工栽培は不可能とされてきました。
しかし、朝鮮半島では李氏朝鮮の時代、日本では江戸時代に人工栽培に成功し、現在では流通している高麗人参関連商品のほとんどには栽培されたものが利用されています。
今回は高麗人参の栽培にかけた努力と歴史の痕跡を追ってみましょう。

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高麗人参栽培の歴史

高麗人参の写真

高麗人参の人工栽培に成功しているのは日本、韓国、中国なのですが日本で流通している高麗人参製品の多くは韓国か日本産なのでこのパートでは韓国(朝鮮半島)と日本での栽培に取り組んできた歴史について紹介しましょう。

高麗人参の人工栽培:韓国編

まず、最初にお断りしておきます。韓国産の高麗人参が広く流通している関係もあり、便宜上タイトルには「韓国」という表記をしていますが、韓国は第二次世界大戦後に建国された国であり、高麗人参の栽培に成功した当時は李氏朝鮮という名前だったので、ここから先は朝鮮半島や李氏朝鮮という表記も併用していきますので予めご了承ください。

現在の韓国で高麗人参の栽培が盛んなのは忠清南道錦山郡と仁川広域市江華郡ですが、最初に人工栽培が始まったのは豊基だとされています。
初めて人工栽培に成功した当時(18世紀)の朝鮮半島は李氏朝鮮という王朝があり、高麗人参の栽培は王朝が管理していてその栽培方法や苗は門外不出でした。それだけ朝鮮半島にとって高麗人参栽培は重要な産業だったのです。
では李氏朝鮮以前はどうだったのかというと、「高麗人参」という名前が象徴するように、この植物が広く薬草として利用されるようになったのは紀元前1世紀頃に朝鮮半島の半分を支配していた高句麗という国の時代からでした。
高麗人参は
  • 強い酸性土壌
  • 乾燥した土地
を好むため、多くは水はけの良い斜面に生えています。
そのため場合によっては命がけで取りに行く必要があり、その希少性ゆえに歴代王朝では高麗人参の採取を厳しく制限し「シンマニ」と呼ばれる職人のみに採取の許可を与え重要な国家資源に指定していました。しかし乱獲が後を絶たず、頭を悩ませたシンマニたちは平地での栽培に踏み切ります。
ところが、上記のように厳しい栽培環境のため試行錯誤を繰り返しようやく18世紀の李氏朝鮮時代に人工栽培が成功したという歴史があるのでそこに至る道のりは辛酸を極めたのではないかということがうかがえます。

高麗人参の人工栽培:日本編

豊臣秀吉

高麗人参はユーラシア大陸の一部でのみ自生しているので、もともと日本では見られない植物です。そこで日本では積極的に高麗人参の栽培に着手してきました。
もともと日本に高麗人参が持ち込まれたのは1592年に豊臣秀吉が朝鮮出兵した時だと言われています。朝鮮出兵後に秀吉の軍師だった黒田官兵衛が栽培に着手しますが成果が得られずその後長きに渡って日本でも栽培には成功しなかったため「高麗人参の人工栽培は不可能」とまで言われていたのです。
その後江戸時代になり三代将軍の家光の時代に種からの発芽は諦め苗からの栽培に着手しますが当時の李王朝は苗の国外持ち出しを禁止していたため入手は困難でした。
それでもなんとか手を尽くして苗を入手した家光は冷涼な気候が朝鮮と似ている仙台の地で伊達政宗に栽培を命じますがそれでも試みは失敗に終わります。
日本で高麗人参の栽培に成功したのはそれから更に遡り8代将軍吉宗の治世の時であると記録されています。国産の高麗人参は「御種人参(おたねにんじん)」と呼ばれ平賀源内によって更に改良され栽培法が確立されていきました。
このオタネニンジンという名前は今でも引き継がれています。(栽培地によって名称が異なる場合があります)現在日本で高麗人参が栽培されている地方は長野県東信地方、福島県会津地方、島根県松江市大根島となっています。
このように朝鮮半島でも日本でも歴代の権力者によって重用されてきたのが高麗人参なのです。

高麗人参栽培に必要な期間

疑問を感じる女性

高麗人参の人工栽培が困難を極めた最大の理由は「土壌作りの難しさ」にあります。特に化学的な分析が困難だった18世紀頃では土壌の酸性度を調べることなどは至難の技だったことは想像に難くありません。
現代でも大地の栄養を全て吸収して収穫後は他の作物が育たないと言われている高麗人参の栽培では化学肥料を用いずにまだ実る前のトウモロコシなどの作物を肥料として使用します。
現在ではだいぶん栽培方法も進化しましたがそれでも土壌作りには細心の注意が必要とされています。
一度高麗人参を収穫した土はまた10年ほど寝かせて再利用します。それだけ、「大地の栄養が濃縮されている健康食品」が高麗人参なのです。
高麗人参の中でも最高級のものは6年根の紅参(こうじん、べにさん)と呼ばれる品種です。これを収穫するには6年もの年月が必要なのですから高麗人参の栽培にはいかに根気と時間を要するかというのがわかります(ただし4年根から収穫可能)。収穫後は10年間土を寝かせるのですから、個人での栽培はほぼ不可能といっても良いでしょう。
また現在では工場での水耕栽培の実現に向けて研究が進められています。これが実現すると高麗人参がもっと身近なものになるのではないかと期待されています。

現代のサプリメント事情

コップとサプリメント

高麗人参のサプリメントではもっとも高品質と言われている6年根が使われることが多いとされています。これは有用成分である「ジンセノサイド」(サポニンの一種)のピークが6年目でそれ以降は含有量が減っていくからなのです。
それに対して生や乾燥させた高麗人参は4年根から流通しています。6年根の多くはサプリメントや和漢として利用されているため入手が困難であり、前述した通り栽培から収穫までは長い時間が必要なので、手軽に高品質な高麗人参を摂取しようと思ったらサプリメントを活用するのが最も効率的な方法だと思われます。

まとめ

高麗人参はなぜ高いのか、そしてなぜ健康に良いのか?について説明をしてきました。先人たちのたゆまぬ努力と英知の結晶が現代の高麗人参であるということがご理解いただけたと思います。

それでもかつてに比べると栽培技術の進化によって高品質の高麗人参を使用したサプリメントなどが比較的入手しやすい価格で購入できるようになりました。
高麗人参には土作りから考えると14年以上の時間をかけた大地の栄養が凝縮された食材です。その恵みを上手に活用して毎日の健康増進に利用してもらいたいと思います。
以 上 

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